常に意識しておくべき、スモールステークスプレイヤーの弱点
2NL~25NLのスモールステークスプレイヤーにはいくつかの「弱点」と言える特徴があります。
Snowieやピオソルバーで最適なバランシングやGTOを学んだとしても、結局大事なのは相手にアジャストできるかどうか。
つまり「相手のレンジをいかに正確に読んで」、「それに対して最適なアクションができるか」が勝負だと思っています。
そこで2NL~25NLのプレイで体感した、スモールステークスにおけるプレイヤーの特徴をまとめてみました。
1.プリフロップでコールをしすぎる
共通して基本的にプリフロのアクションにコールが多いです。
a.コールするには弱いハンドでコールで参加してしまう
弱いレンジでコールで参加しているため、こちらが適切なレンジで参加し、適切なアクションをすることで長期的に搾取が可能です。
b.オープンしてIPから3Bされたときに、OOPからのブラフ4Bレンジが無い
ブラフ4Bレンジが無いことから、戦いやすい相手と言えます。4Bしてきたときはプレミアなので降りればよいし、それ以外のハンドではこちらの3Bにはフォールド、あるいはコールします。
→こちらはIPでブラフ3Bしたハンドでフロップが見れる(プリフロで降ろされない)ことが大きいです。また、こちらには有利なポジションがあるのと、相手のコールレンジが弱いことを利用して、リスクを取って強いアクションをすることで降ろせることが多いです。
c.レイトポジションからスチールにいって、ブラインドからリスチが返ってきたときに、ブラフ4Bをしない
同様に相手はブラフ4Bをしてこないので、こちらがブラインドからリスチにいったときにフロップを見ることができます。
→自分より弱いハンドにプリフロで(ブラフで)降ろされることがないのは、大きなメリットです。また相手はブラフ4Bに回すべき弱いハンドでもコールをしているので、フロップ以降でこちらの強いアクションに対して悩ましいシチュエーションが増えます。
2.ポストフロップでもコールが多い
フロップ以降も同様で、降りない、降りれないプレイヤーが多いです。
a.ドローハンドでひたすらコールして、引けなければリバーはXXで諦める
ちょくちょく見かけます。IPでもOOPでもドローでひたすらコールして、セミブラフレイズを全くしない。リバーでこちらにとってのスケアが落ちてもブラフをしないというタイプです。
→かなり戦いやすいパッシブな相手です。一度見つけたら次回からはブラフは減らし、バリューをガッツリ取りに行きます。また相手にドローレンジが多いときは、リバーでベットして降ろすこともできます。
b.トップペアやミドルペアでトリプルコールする
たまに見かけます。コールがもらえないと思っていたところからコールがもらえたり、逆に降ろせると思っていたハンドが降ろせなかったり…。
→このタイプも一度見つけたらそれ以降の対策は簡単です。
c.リバーで打たれたら降りるハンドでターンのコールをしすぎる
個人的に狙い目だと思っているのがcです。
もちろんターンでコールして、(リバーラグが落ちて)リバーのベットには降りる、というライン自体が悪いわけではありません。逆にそのレンジが一切無ければ、ターンのコールレンジが極端になってしまいますし、適度にリバーでは降りる必要があります。
ですが、スモールステークスでは、「ターンでコールしたハンドのうち、リバーで打たれて降りるハンドが多すぎる」と感じます。つまりバランスが取れていないのが弱点と言えます。
→こちらは幅広いレンジでトリプルバレルを打つことで搾取が可能です。もし相手が上のbのプレイヤーの場合はペイオフしますが、あまり気にしません。そのときは今後のトリプルレンジをバリューヘビーにアジャストすれば回収できる、と考えられるためです。さらに、もし相手がメモを取っているプレイヤーであれば、きっと自分をブラファーだと記録するでしょう。次回ぶつかった時に、たくさんバリューを頂きましょう。
3.金額からハンドの強さが読み取れる
かなり分かりやすく、アジャストしやすい特徴です。
a.ハンドの強さに応じてオープン金額も増減する
3.5bbや4bbのオープンをしたプレイヤーから、AAやKKが出てくること、あると思います。逆にアーリーから2bbオープンして、スモールポケットやスーコネが出てくるなど。上手くポーラライズしている人もたま~にいますが、基本的にスモールステークスでは予想通りの素直なハンドが出てきます。
→大きいオープンに対しては、ブラフ3bは控えます。例えブラフ3bレンジのハンドが配られても、無理はしません。一度ブラフ3bを試してみるのはアリだと思いますが、それで4bが返ってきたら、やはり次回からブラフ3bは控えるようにします。
逆に小さなオープンに対しては積極的に3bしていきます。相手は一度コールしてフロップを見るものの、ボードと絡まなければすぐ降りることが多いです。たまに小さなオープンにプレミアを混ぜてくるプレイヤーもいるので、4bが返ってきたらメモを取って、次からは通常のレンジで対応します。
b.ポットベットはバリューがほとんど
意外と多いのが、リバーのポットベットです。スモールステークスでは降りれないプレイヤーが多いので、あまり考えずにトップレンジでポットベットするプレイヤーが結構います。
→これまでの経験から、基本的にポットベットは信頼するようにしています。彼らはよく「ブラフは安く、バリューは厚く」打つ傾向があります。当然ポットベットブラフもありますが、何か情報があったり、ボード的に明らかにブラフヘビーだと判断しない限りは、基本的には信用しています。
c.マージナルなハンドで安いドンク
よく見かけるのが、マージナルハンドで安めのドンクをしてくるプレイヤーです。例えばK26rで77で3割のドンクをして、レイズされたらフォールドするとか。あるいは1回はレイズにもコールするけど、ターンでもう一度打たれたらフォールドするなど。たまにこちらがヒットしていなさそうなボードで、完ブラでドンクしてくるプレイヤーも見かけます。
→彼らに対しては、こちらはSDV(ショーダウンバリュー)のあるハンドでコール止めし、無いハンドではブラフレイズすることで搾取可能です。相手はドンクしたせいでこちらの情報が掴みづらく、ターン以降で難しいシチュエーションに立たされます。
4.リンプが多い
25NLも含め、リンパーがめちゃくちゃ多いです。リンパーはフィッシュの確率が高いので、HUDでリンプの割合は必ず表示させてチェックするようにします。
→とは言っても彼らはプリフロで降りることが少なく、ポストフロップでも普通よりコールしてきやすいです。
なのでこちらもフィッシュだからといって調子に乗って弱いハンドでレイズしすぎると、痛い目に遭います。
無理はせず、通常のオープンレンジを少しだけ狭めたレンジでレイズして、しっかりアイソレート(フィッシュとヘッズ)するようにします。
5.ショートスタックが多い
100bb未満のスタックで参加しているプレイヤーが多く見られます。彼らはオートリバイ設定をしておらず、フィッシュの可能性が高いです。
→ショートスタックのオープンに対して、ブラフ3bはほとんどしません。また彼らがブラインドにいるときは、投機的ハンドよりもエクイティの高いハンドで参加するようにします。その結果、自分の3bやオープンレンジが多少は低くなりますが、スモールステークスでタイトであることは悪いことではないので気にしません。感覚的には相手が80bbを切っていたら、投機的ハンドでの3bは控えています。
また、30bbくらいのショートスタックのプレイヤーは、たまに変なハンド(88とかAQo)でプリフロでクレイジーなAIをしてくれます。
→見つけたら即メモを取り、以降に役立てます。
6.まとめ
これらの特徴を頭に入れておくことで、25NL以下のスモールステークスではかなり有利なプレイができます。
なお、他にもまだまだウィークポイントはあって、例えば、
・バリューにもブラフにもならないベットをしてしまう
・3bレンジのバリューレンジに、相手に抵抗されると負けているレンジが含まれている(バリューのつもりがバリューになっていない)
・エクイティが全く無いハンドでCBやBMCBしてしまう
などが考えられます。
これらについては、またフロップ戦略とポストフロップ戦略で触れたいと思います。